シュウ酸ナトリウムを⽤いた加圧CO2を⽤いたグレープフルーツ残渣からのペクチンおよびペクチンオリゴ糖の強化抽出と機能特性評価
本研究科3年のPATTARAPISITPORN ALISA(パッタラピシットポーン アリサ)さんの研究成果が、インパクトファクター 5.8の国際英文誌『Food and Bioprocess Technology』に掲載されました。
本研究では、グレープフルーツジュース残渣からペクチンとペクチンオリゴ糖(POS)を効率的に抽出する方法を検討し、シュウ酸ナトリウムを補助剤とした加圧二酸化炭素(PCO₂)抽出を行ったところ、以下の結果となりました。
・ペクチン収率は最大42.7%に達し、従来条件より約40%増加した。
・抽出ペクチンは高ガラクツロン酸含有量(65.8%)と良好な構造保持性を示し、FTIRとSEMで構造的完全性が確認された。
・酵素加水分解で得られたPOSは、プロバイオティクス増殖や酢酸生成を促進し、抗酸化作用とACE阻害活性も示した。
・ペクチンは消化耐性が高い一方、POSは消化されやすい特性を示した。
これらの結果から、PCO₂抽出法は持続可能で効率的なペクチン回収手法であり、POSは機能性食品やニュートラシューティカルズへの応用が期待されます。
■ 論文情報
Title: Enhanced Extraction and Functional Characterization of Pectin and Pectic Oligosaccharide from Grapefruit Residue Using Sodium Oxalate-Assisted Pressurized CO2
Authors: Alisa Pattarapisitporn, Yuzuka Nagatoshi, Wannaporn Klangpetch, Daisuke Hamanaka, Nao Inoue & Seiji Noma
Journal: Food and Bioprocess Technology
DOI: https://doi.org/10.1007/s11947-025-03967-7
