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アサガオでデルフィニジンが蓄積すると花弁展開が阻害される現象を発見

2026.08.07

 本研究科3年のHuynh Ton-Phuc(フィン トンフク)さんの研究成果が、インパクトファクター 5.6の国際英文誌『BMC Plant Biology』に掲載されました(2026年7月22日)。

 アントシアニンの一種であるデルフィニジンは、植物における青色の発色のための重要な色素です。しかしながら、デルフィニジン生合成の鍵酵素であるフラボノイド3′,5′-水酸化酵素(F3′5′H)遺伝子の機能に関しては、他の生合成関連遺伝子との相互作用など、まだ未解明な部分が残されています。

 本研究は、形質転換が容易で、アントシアニン生合成研究に有利な性質を持つアサガオが、F3′5′Hの機能解析に利用可能かどうか検討しました。その結果、トルコギキョウ、パンジー、カンパニュラ由来のF3′5′H遺伝子を形質転換アサガオで発現させ、デルフィニジンを蓄積することに成功しました。驚くべきことに、デルフィニジンを高濃度で蓄積したアサガオの花弁では、花が開かなくなるという現象が観察されました。RNA-Seq解析により、展開が阻害された花弁では、ストレス応答、解毒応答および老化に関与する遺伝子の発現に有意な変化が認められました。

 本研究により、アサガオを用いることで、F3′5′H遺伝子の効率的な機能解析が可能であることが実証されました。また、異常な色素蓄積で花弁展開が阻害される現象は、これまでに、ペチュニアやトレニア等の他の植物でも報告されていますが、どのような遺伝子発現の変動が起きているのかは、明らかにされていませんでした。本研究の知見は、色素による花弁展開阻害の機構解明に重要な洞察を提供するものであります。

 

【掲載論文】Ectopic expression of the flavonoid 3′,5′-hydroxylase gene in Ipomoea nil induces the accumulation of delphinidin-based anthocyanins in the petals and inhibits their opening

【著者名】Ton-Phuc Huynh, Chihiro Motoyama, Hiroshi Oshima, Naoko Kozai, Nagisha Yamate, Fumio Hashimoto, Keiichi Shimizu

【掲載誌】BMC Plant Biology

【DOI】https://doi.org/10.1186/s12870-026-09522-6