教育・研究上の特質

1.特色

①教育上の特色

 複数の大学が協力しあって、後期3年の博士課程を設けるという、新しい構想の連合農学研究科が設置され、関連分野の学問の進歩に対応し、学生に自己の専門に対する高度の知識を修得させる。
 さらに本研究科は、温帯・亜熱帯域の食料生産地を基盤とした農学のすべての分野(農学、林学、畜産学、水産学、食品科学、生命科学、経済学、経営学、社会学)を網羅した教育による専門知識や学際的な視点、柔軟な思考力を醸成する。
 従って、大学教員としての研究後継者の養成のみではなく、広く国公私立の試験研究機関あるいは民間企業において生物資源、水産資源関連分野の発展に貢献しうる研究者、国際化時代に対応できる高度技術者の養成が行われる。

②研究上の特色

 研究面では、各構成大学の研究活動を著しく活性化させるという特色がある。
 本連合農学研究科においては、3大学が連合して教育研究を実施している。それにより従来は個々の専門領域を通じての交流が主であった各構成大学の教員が、共通の博士課程の教育研究を実施するということを通じて、密接に関連を持つようになり、大学の枠を越えかつ専門の領域を越えた協力関係が生じ、共同研究や学際研究の推進の気運が醸成される。
 これにより、構成大学教員相互のプロジェクト研究班の編成が極めて容易になり、その結果、研究活動の組織化が盛んになっており、研究レベルが向上し、各構成大学の活性化を著しく促進している。

2.研究指導の体制

 連合農学研究科教員の指導範囲は、教員の所属する領域及び教育研究分野とともに公表され、入学生の希望を参考にし、学生1人について、主指導教員1人と副指導教員2人及び指導教員を補助する教員1人を研究科教授会で選定し、学生に対し極めて効率的な指導体制をとっている。

3.研究指導の方法及び履修方法

 学生は、主指導教員の在職する大学で、専ら主指導教員のもとで、博士課程の研究指導を受けるが、随時他大学に在職する副指導教員の指導も受ける。
 主指導教員は、学生の入学時に教育研究指導計画書を確定し、それに従って常に副指導教員と密接な連絡を取りながら、研究指導を行う。なお、学生は各構成大学の研究設備や施設を一つの大学のものとして利用できる。
 また、本研究科の教育の理念に基づき、広く農学、水産学に関する知識を修得させると共に自己の専門分野に深い関連のある分野の知識を習得させるために、必修科目(学位論文研究6単位、データ解析演習:1単位、農水生命科学特論:1単位、農学特別講義:2単位)、選択必修科目として学際的な視点の知識を得る科目の中から1単位以上及びキャリア開発科目の中から1単位以上合わせて12単位以上を修得し、これらの履修を学位論文提出の必須条件としている。