加圧CO2とクエン酸およびクエン酸緩衝液を組み合わせたグレープフルーツからのペクチン抽出
本研究科3年のPATTARAPISITPORN ALISA(パッタラピシットポーン アリサ)さんの研究成果が、インパクトファクター 5.8の国際英文誌『Food and Bioprocess Technology』に掲載されました。
本研究では、化学薬品の使用低減を目指し、加圧二酸化炭素(PCO₂)を利用したグレープフルーツ搾汁残渣からのペクチン抽出を試みました。残渣粉末1 gをpH4~6のクエン酸またはクエン酸緩衝液に溶解し、2.5 MPaのPCO₂で抽出したところ、以下の結果となりました。
・クエン酸緩衝液(CBペクチン)はクエン酸(CAペクチン)より高収率。
・pH5で最高収率(11.7~14.3% w/w)。
・CAペクチンは高メチルエステル化度(DE最大92%)、分子量70kDa。
・単糖組成:CAペクチンはラムノガラクツロナンIが豊富、CBペクチンはホモガラクツロナンが豊富。
・粘度:CAペクチンはpH3にてショ糖存在下で顕著に増加。
これらの結果は、クエン酸溶液中でのPCO₂処理が、高メトキシルペクチン製造の代替法になり得ることを意味しています。
■ 論文情報
Title: Pectin Extraction from Citrus paradisi Using Pressurized CO2 in Combination with Citric Acid and Citrate Buffer
Authors: Alisa Pattarapisitporn, Mikihide Demura, Wannaporn Klangpetch & Seiji Noma
Journal: Food and Bioprocess Technology
DOI: https://doi.org/10.1007/s11947-024-03738-w
